中国百名山二座を結ぶ縦走路はブナの原生林の中
今日は梅雨の貴重な晴れ間。これを逃すとまた当分山はお預けになりそうなので山行き決定。
今回は新庄村の毛無山から大山の絶景を眺め、さらに金ヶ谷山まで縦走するロングコースだ。
中国道の大佐ICから山越えで新庄村に入る。離合するには苦労するような道だったが、それも無く、無事国道
181号線に出ることが出来た。毛無山に向かって車を走らせる。途中工事中で通行止めの箇所があったが迂回路
を通り、田浪集落に到着。 田浪園地の駐車場に一番乗り。空は気持ちの良い青空が広がっている。
期待に胸を膨らませ、登山開始。 |
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広い駐車場と立派なビジターセンター、中には休憩室、トイレ、それに女性用更衣室を備えている。
カタクリの花の季節にはこの広い駐車場も車で溢れるらしい
園地の奥はキャンプ場、東には山の家があり、その先が毛無山登山口になっているる。 |
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駐車場から橋を渡り、舗装路を山の家に歩いて行く。途中にある案内板でルートや注意事項を確認。
山の家の軒先から微かに毛無山の山頂を仰ぎ見ることが出来る
山の家から数十メートル先に大きな標柱のある登山口に着く |
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登山口を入ると、いきなりカケスの出迎えを受ける。白と水色の羽が美しい。
木漏れ日の美しい道を白馬山分岐を右に過ごし、10分ほどで案内板が立ち並ぶ、登山道入り口に着く。
ここから林道と別れ、山道へと入っていく。 |
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渓谷を離れ、見事な天然杉の間を縫うように登って行く。
四合目の標識を過ぎたところに[毛無大岩]と記した岩が道を塞ぐように横たわっているがその左を巻いて登って行く。 |
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ツクバネソウ |
フタリシズカ |
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ミズタラビコ |
美しい木肌のブナ |
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五合目上部の急登をがんばり、「六合杉」、「助け合いの木」、ブナの巨木を見ながらジグザグに登り、
右にトラバースすると尾根に出る。急登の連続に汗ビッショリだ。 |
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急登から道が左に曲がり、緩やかになってくると8合目の「山頂まで0.3km」の標識がある。
8合目の大岩の先を山頂に向け右にカーブすると急坂に櫛状の階段がある。前より随分荒れた感じがするが・・・・ |
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急坂を登りきると傾斜が緩み、間もなく九合目避難小屋に着く。一休みして最後の急坂の直登。
樹林帯を抜けると視界が広がり、田浪集落や山の家、そして駐車場の車も見渡せる
賑やかに鳴くウグイスを撮影したがピンボケ、山頂はもうすぐだ |
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山頂には期待した絶景はなかった。副隊長には是非見せたかったのに・・・(右の写真は2010年撮影のもの)
西方向に宝仏山をガスの切れ間に垣間見ただけで、北側はガスに覆われ大山の姿を見ることは出来なかった。
スイカを食べ、ガスの切れるのを待つが、次々とガスが沸いてきて益々濃くなってくる。
先は長い、そろそろ出発しなくては・・・・ |
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未練を残して、山頂から今日のメインの縦走に出発する。
山頂から暫くは明るい潅木の尾根で、タニウツギが咲く登山道を行く。 |
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振り返れば、今まで居た毛無山がもうあんなに遠くに・・・・
やがて前方に、ブナに覆われた、こんもりとした丘が現れる
春にはカタクリの花が咲き誇り、登山客で賑わう「カタクリの丘」だ。
今日は霧に包まれた静かな佇まいの広場だ! |
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ブナ林を縫って延びる縦走路は緩やかにアップダウンを繰り返し、時折流れる霧が幻想的な雰囲気を漂わしている。
展望を楽しむことは出来ないが、ブナの森を堪能しながらの楽しい縦走だ。 |
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ブナの茂る緩やかな縦走路を進んで行くと、白馬山山頂に着く。
ここでもガスの為、展望は無い。長い縦走に備え、軽く腹ごしらえする。
ここから右に下って田浪登山口に周回するのが一般的だが今回はさらに金ヶ谷山まで縦走を続ける。 |
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白馬山から金ヶ谷山に向かうと足元にはセリバオーレンノ群生が登山道脇に広がっている。
すでに花の時期は終っているが風車のような実が実に可愛い。 はじめて見た! |
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それに彩りを添えるようにムラサキケマンの紫の花も咲いている 。
稜線の道はブナに何処までも囲まれているがアップダウンが少しずつきつくなってくる。
霧の切れ間に一瞬、金ヶ谷山の尖った山頂を見たような気がしたが・・・・・ |
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「通り抜けできません」の立て札を過ぎると間もなく、縦走路の中間地点、最低鞍部の俣野越に到着する。
毛無山から約1時間半、随分歩いてきた! 鞍部には大きなブナが登山道脇にあるだけ。
そして、その先には急な上り坂が見えている。
右手に土用ダムを樹間に見ながら、急激なアップダウンを越え進んで行くと、
金ヶ谷山から続く、標高1018mをピークとする稜線が前方に立ち塞がっているのが確認できる。
あの稜線を越えれば金ヶ谷コースの登山道に合流できると空腹を我慢して頑張る。 |
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毛無山から2時間30分 (予定では4時間)金ヶ谷コースに合流
もうひとふん張りして金ヶ谷山山頂で昼食しようとここでは夏甘の蜂蜜賭けで喉を潤し山頂に向かう
霧に包まれた山頂へは急な登りと長い階段を登って行く
いつも、どの山も山頂への最後の登りは急登だ |
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狭い山頂は樹木に囲まれ展望は無く、虫の多さに閉口して昼食は諦め、早々に退散する。
結局、合流地点で涼しい風を受けながらソーメン定食を食べる。 |
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金ヶ谷コースの登山道は終始尾根道だ。稜線の道は時に広くなり、また痩せた尾根になりながら下って行く
下るにつれ植生もブナから檜や潅木の林に変わり、天気も何時の間にか霧から青空に変わっている。
分岐から25分程で、明るい日差しが眩しい林道に降り立った。 |
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急角度のカーブを二つ降りると緩やかな林道の両側は立派な植林帯になってくる
大きな杉の木立の間には栃の木が植林されている。杉が終れば栃の木の森になるのだろうか?
涼しくて歩き易い、木陰の道端の一角にはチェーンソウで彫られた数体の木彫の彫刻が心を和ませてくれる |
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車止めのゲートを過ぎると間もなく金ヶ谷山登山口のある山の家「あじわいの宿 新庄」に着く。
登山口に居た若いご婦人と話をしていると「田浪まで送ってあげる」 との親切なお言葉。
面白い新庄村の話を聞きながら楽しいドライブ。降り際に、お礼(タクシー代)を申し出ると固辞され、
[それでは新庄村の募金に寄付してください]とのこと。[又、来てください]と爽やかな言葉を残し去っていった。
ビジターセンターの募金箱に百円玉に混じって札が入ったのは言うまでも無い |
ひとこと:山が好き、人が好き、新庄村が好き! |