山頂はガス、羊蹄山火口は見えず
羊蹄山には何度も登ろうと試みたが、その度に天気に阻まれ登ることが出来なかった。羊蹄山は独立峰で気候
の変化が激しく終日晴天ということがない。山頂にはいつも雲が掛っている。今回はやっと希望がかなえられそうだ。
昨夜、五色温泉の宿の主人に登山口を尋ねられ,何の疑いも無く「真狩」と答えた。そして、その意味を山頂で知ることになった。
早朝、宿を発ち、途中のコンビニで朝食と昼食を調達し、羊蹄山自然公園に向かう。キャンプ場の下にある登山者専用駐車場に停め、キャンプ場のメイン通りを歩いていくと、終点に真狩コースの登山口がある。
登山口の先でいきなり急坂に出くわすが、それを越えると緩やかな道になる。南コブ分岐で衣服の調節をし、モードを切り替えて登っていく。2合目の標識あたりから次第に傾斜が増し、3合目付近の山腹に付けられた道がとても長く感じられる。4合目が近づき雲の上に出ると眼下に一面の雲海が広がり、尻別岳が雲海の上に頭を出している。
4合目で休憩をしていると神奈川から来た若い3人組と出会ってチョコレートを頂いた。この後、3人とは抜きつ、抜かれつしながら登り、休憩の度にチョコレートを貰った。
それが下山まで続き、楽しい山登りになった。、 |
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キャンプ場にある登山者専用駐車場 |
キャンプ場 |
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キャンプ場上部で車両通行止め |
羊蹄山真狩登山口 |
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1合目 |
南コブ展望台分岐 |
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ダケカンバの森を行く |
3合目 |
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4合目 雲の上に上がると雲海が広がる |
5合目、6合目、7合目と苦しい急登が続く。視界のきかないダケカンバ帯を黙々を登り、各合目ごとに
休憩しながら高度を稼いでいく。
8合目を過ぎ、ガレ場をトラバースするあたりからイワブクロやエゾフウロなどがすがたを見せ始め、崩落気味の道端にはウコンウツギが黄色い花を咲かせている。
9合目で避難小屋への道が分かれる。その先に真狩肩(1684m)と呼ばれるピークがあり、ここからの斜面は植物が多く、クルマユリやエゾフウロが咲き乱れ、足下にはコケモモやエゾノツガザクラがひっそりと咲いている。
いつの間にかガスに包まれた山頂部は視界も無く、足下の花だけを楽しみに登り続けると真狩コース分岐である山頂火口の外輪に達した。、 |
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岩の出た急な登り |
ゴゼンタチバナ |
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7合目 |
8合目 |
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イワブクロの群生 |
イワブクロ&エゾフウロ |
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緩やかになった道もガスで視界なし |
9合目山小屋分岐 |
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真狩肩(標高1684m) |
広い尾根 |
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クルマユリ&エゾフウロの群生 |
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ウコンウツギ |
ザレ場に咲くイワブクロ |
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稜線分岐 |
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ガスが無ければ、眼下に父釜と呼ばれる大きな噴火口が窪み、それを取り囲む外輪山が一望できたのだが
左は緩やかな稜線散歩の道、右は岩稜帯の道。ここは勿論、右の岩場へ。
30分余りの稜線歩きが続く。ここで思いがけないことがおこった。五色温泉で同宿した夫婦が山頂から降りてきた。
宿で朝食を採り、ゆっくり出発したはずなのに?。
10:39 5時間39分掛かり羊蹄山山頂に到着。細い岩稜に向け次々登山者が押しかけ、満杯状態だ。大部分が倶知安からだ。「真狩からだ」というと、「そのコースは二度と登りたくない」とも。それで昨夜の主人の言葉が納得できた。「倶知安からならそんなに早く出発しなくてもいい」と言いたかったのだろう。、 |
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ミヤマキンバイ |
岩場の始まり |
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岩稜帯を行く |
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10:39 羊蹄山山頂到着 |
賑わう山頂 |
昼食後、賑わう山頂を後に下山にかかる。「周回コースは時間が掛るし、展望の無い今日は岩場を引き返した方がいい。」というガイドらしき人の言葉を信じ、来た道を戻ることにする。
帰りは岩場に付けたルートの白い目印が良く見え、快調に岩稜を越える。外輪山の分岐から真狩コースに入り、真狩肩からザレ場を抜けたあたりで、3人組に追いついた。距離の長い周回コースと取ったはずなのに前にいるとは?
聞けば「周回コースは自転車道だった。景色も見えず、面白くもないので飛ばした」とのこと。
ウンザリするほど長い帰り道。宴会荷物を持った若者が元気良く登ってくる。その後も避難小屋泊まりの人たちが次々上を目指してくる。今日は土曜日だ。
4時間近く掛ってキャンプ場に帰ってきた。 トータル9時間40分の山旅だった。、 |
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山頂を後に帰りも岩場を |
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イワブクロに囲まれたケルン |
真狩肩 |
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ザレ場を彩るお花畑 |
登山口に無事帰還 |
ひとこと:岩手山より道が良く、登りやすかった! |