おしどり登山隊                                             |山便りへ ホームへ 
 大狩山(おおかりやま):590.9m        広島県安芸高田市高宮町

 山の概要
  安芸高田市の北方、来女木よ横田に挟まれた里山であるが、登山道周辺の植生が豊富なうえに、尼子道など往古を偲ぶ古道
  や、古代製鉄遺跡の大鍛冶屋跡も見られ、また和泉式部ゆかりの峠など、夢とロマンに満ちた自然が残る山塊である。
  谷を詰め、主稜線に出て山頂三角点に登り、尼子道など稜線を縦走するもので、辺りにはナツツバキ、アテツマンサクが多く、
  ヤマナラシの巨木やイヌブナノアリ、オオサンショウウオが棲む谷沿いにはアブラチャンの帯ができるほどで、静けさが漂い、
  ゆっくり自然が楽しめ、リフレッシュに最適な山である。
  山頂からは南に鷹ノ巣山の秀峰、西に白木山、その間には野呂山や小田山などが望め、北側に廻れば犬伏山が眼前にあり、
  三瓶山の巨体や中国山地の山々が展望できる。  -大狩山砂防公園の案内板よりー
 Route Map砂防公園より時計回りに山頂を経て、稜線を周回し、下山口に下山
 Road Map国道2号線から県道33号線に入り、甲田町高宮分れから県道4号線、県道179号線と乗り継ぎ、来女木から
          道標に従い大狩山砂防公園へ 

 2017年4月4日(火曜日)
  晴れ

 ホーム8:30.。。。。10:15砂防公園駐車場10:25 → 10:35登山口 → 10:41大鍛冶屋跡10:50 → 10:55下の水場分岐 →

 11:28稜線 → 11:25大狩山山頂(昼食)12:18 → 12:35尼子道道標 → 12:45峠(四差路)12:50 → 12:53地籍図根三角点 →
 13:00展望地 → 13:20下山口 → 13:35駐車場13:50。。(道の駅 湖畔の里)。。 16:30ホーム

 行動時間:3時間10分(休憩、昼食時間含む)
 昼食時間:53分

 久しぶりの山歩き。のんびりゆったり春山を満喫できる山は? ということで今回は安芸高田市の大狩山に登ることにする。
 国道2号線から志和盆地に入ると高鉢山の稜線が屛風のように西に立ちはだかっている。その東端の安駄山と金明山の間を抜けると、
 鎌倉寺山の岩峰が目の前に迫ってくる。岩峰の裾を掠めて進み、志和口からJR芸備線に沿って北上すると向井原に至る。カタクリの里
 には既に幟が立って花を愛でる準備が整っている。甲田町の高宮分れを過ぎると登山口のある来女木までは一直線だ。
 高宮町も美土里町も初めて足を踏み入れた土地だ。
 大狩山砂防公園の標識に従って進と、大きなダムの堰堤が見える。自然石を模したでかい砂防ダムだ。谷一面を塞いで覆いかぶさって
 いる。ダムの下にはテレビで見たことがあるウォータースライダーがくねっている。夏は子供で賑わうのだろうなぁ~!
 ダムの底から道は反転し休憩舎に向かう。休憩舎前の広い駐車場に車を停める。名水汲みの軽トラが2台あがってきたが、山行きらしい
 先行者の車は1台のみだ。
 休憩舎に架る「大狩山自然の森」の案内板で知識を仕入れ出発する。案内板に従って砂防堰堤を左から乗り越し、防獣柵を抜けて、暫く
 は右岸沿いの広い遊歩道を進んでいく。遊歩道の突き当りを右に折れて階段を下り水辺に降りていく。大きな置石を踏んで沢を渡り、右手
 の林道へ上がっていく。
 名残りのアテツマンサクが咲く砂利道を歩いていくと下山口があり、その先のコンクリートの橋を渡ると登山口の標識がある。
 
駐車場と休憩所 砂防堰堤とウォータースライダー
堰堤の左側から 、防獣柵(登山を禁止するものではありませんの記述)
広い遊歩道を行く 沢を渡り左岸に
左岸沿いの林道 名残りのアテツマンサク

 登山口を入り5分で左岸に渡ると「大鍛冶屋跡」の標識がある。100m先の案内に従って山に入るが石組跡があるだけで、それと分かる
 案内は無い。林道に戻り、雑木林に囲まれた明るい陽射しの中を歩いていくと5分ほどで林道が2分している。分岐点に水場があるが、谷
 から水を引く竹も朽ちて水も流れていない。分岐を左に採り、沢を渡ると植林帯の中に入っていく。ヒノキの幹に付けられた白いペンキが
 道案内のように目立つが、やがて登山道を離れて右手の斜面へ遠ざかっていく。
 広い谷の山腹を横切り、踏み跡が薄い涸れ沢沿いに登っていくと次の水場が現れるが、さっきの水場同様朽ちて水は流れていない。
 傾斜が増してくるとトラロープが渡してあるが、ロープに頼るほどの急傾斜ではない。尾根に乗ると右折れして山頂に向かうが、その前に
 左手の尾根の先端に行ってみると、ヤマカガシが日向ぼっこをしていた。今年初めてのご対面だ。
 尾根道は平坦で、展望も無い。最後に少し登ると大狩山山頂に着く。山頂には色あせて見えなくなった案内板と椅子代わりの切断された
 丸太が沢山立て置いてある。 そしてネットで見かけた狐の歓迎垂れ幕は無残に地面に落ちている。
 北と南が切り開かれているが、案内板にある北側の展望は成長した木々に遮られ犬伏山の稜線が見えるだけになっている。南側は美土
 里町の横田地区の集落とその背後の山並みを見ることが出来るが春霞の為、それ以遠は見通せない。
 山裾の中国道を走る車が見下ろしながら昼食を採る。今日はラーメン定食だ!
  
登山口と大鍛冶屋跡の標識 のどかな春の山
林道分岐は左へ   (マウス ON 丸印 水場跡?) ヒノキ林の植林地を行く
大狩山 0.5kmの標識 上の水場跡
ロープが張られた急登 稜線に乗る
緩やかな尾根道 大狩山山頂
北の眺め 犬伏山の稜線 南の眺め  美土里町横田地区

 山頂でのんびり時を過ごした後、周回コースの後半に出発する。山頂から一旦下りて、ほぼ大狩山と同じ高さのピークに登り返す。
 気持ちのいい稜線の道を下っていくと「ここから尼子道」の道標がある。稜線の鞍部に盛り土をして土塁にしてあり、道が水平になって
 歩きやすい。ここから約1kmが尼子道だ。低地は盛り土をし、コブは避けて山腹を巻き、出来るだけ緩やかにしている。
 2度目の土塁を過ぎると四差路の峠に出る。平安時代の歌人・和泉式部が歌を詠んだと云われる峠で、右に少し登った所の巨大な赤松
 の傍に「はるばると聞きに北野のほととぎす ただ一声を国の土産に」の看板があるはずだが、今は枯て朽ちた松の巨木の根元に
 古びた板が置いてあるだけだ。周りは刈りはらわれ地籍図根の三角点が置かれている。
 なだらかな道をだらだら下っていくと10分程で来原財産区展望地に着く。切り開かれた所から北に見えるなだらかな山は犬伏山だ。その
 東の切れ目辺りに三瓶山がみえるはずだが今日は霞んで見えない。
 展望地から右に折れ、穏やかな常緑樹の中を抜けていく。やがて傾斜が急になり、トラロープが渡された道になる。下に林道が見えだすと
 傾斜が一段と急になり、長いトラロープの道をくだると林道に飛び出す。
 登りには右岸を歩いたが、帰りは左岸を歩いて帰る。防獣柵を抜けて砂防公園の下に出る。堰堤の下を通り駐車場に帰ってきた。
 もう駐車場に車は我が愛車以外車はいない。名水を汲んで、どこかの道の駅に寄って帰ろう!
 
山頂からの下山道 気持ちのいい稜線の道
ピークに登り返し、下っていく 明るい登山道
「ここから尼子道」の標識 緩やかな巻道
再び盛り土の道・土塁がある 和泉式部ゆかりの峠
地籍図根の三角点 来原財産区展望地
平坦な尾根道 ロープのある下り
ロープが張られた長い急坂を下り下山口へ
左岸沿いの林道を下る 砂防公園に帰着
ひとこと:和泉式部がまさかこんな山の中の道を歩いたとは思えないが 、伝承はロマンがあるほうがいい!
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