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天狗の森(てんぐのもり):1484.9m〜黒滝山:1367.1m〜大引割(おおひきわり):1087m 高知県高岡郡津野町

 山の概要
  天狗の森は四国カルスト東部の天狗高原に位置し、標高1484mは四国カルストでもっとも高い山である。
  黒滝山は天狗の森の尾根伝いに東に位置する標高1367mの山である。その二つのピークを有する天狗高原は牧草地の
  広がる大野ヶ原や五段高原と違い豊かな自然林に覆われた森となっている。
  黒滝山から更に東に進むと、有史以前の巨大な亀裂が残る天然記念物の名勝、大引割・小引割がある。
  
 Route Map天狗の森登山口から天狗の森、黒滝山を経て大引割へ、帰路は四国の路、セラピーロードを下山
 Road Map 帰途は天狗荘から高知に向け山を下り、須崎ICより高知自動車道・瀬戸自動車道・山陽自動車道経由
         で帰宅 

 2017年9月4日(月曜日)
  曇り一時雨

天狗高原駐車場7:35→ 7:55瀬戸見の森→ 8:13天狗の森山頂8:20→ 8:43姫百合平8:50→ 9:30黒滝山9:40→
10:00四国の道出会い→ 10:20大引割(昼食)11:02→ 11:41黒滝山分岐→ 12:35登山口12:40..17:15ホーム

 行動時間:5時間00分(休憩、昼食時間含む)
 昼食時間:42分

目を覚ますと外はガスの中。四国カルストの旅2日間とも天気予報は晴天のはずだったのに、昨日の晴天は何処へ行ったのか?
だが、今日登る天狗の森は樹林帯が主体の山で展望を楽しむ山ではないから、雨さえ降らなければ・・・・。
昨日と違って、がら空きの駐車場、その最奥が登山口。ここはすでに標高1367m。山頂までは120mの標高差だ。
登山口に立てられた幾つかの案内板や標識に目を留めながら、幅広い登山道を緩やかに登り始める。キャンプ場の炊事場やトイレの間を抜け、階段状に整備されたテントサイトの間を登っていく。(青いテントが1張りだけ設営していた)
テントサイトを過ぎ植生が灌木帯に変わり周りが明るくなると足下に石灰岩が目立つ細い山道になり、傾斜も次第に増してくる。
石の多い急坂を登って行くと、頭上に樹木に押しつぶされそうな展望台が現れる。樹木に囲まれ南側の一方向だけが開けているが、今日は何も見えず、目の前の、樅の大きな紫の実だけが印象的だった。
展望台から一登りすると稜線に乗り、左手のピークに立つが、周りはガスの中。天狗高原や五段高原が見えるはずだったが残念!
瀬戸見の森からは稜線上の道を東に歩いていく。樹林帯を抜けると明るい石灰岩に覆われた岩場のピークとなり、そこから岩稜地帯を一旦下っていく。 うっそうとした樹林帯になり、苔むした岩が縁どる登山道を進む。フラットな鞍部を過ぎ、緩やかな登り返しが始まるとまた石灰岩の露頭が目立つようになってくる。ツクシクサボタンの被さる登山道を行くと標識のような小さな案内板が現れ、右に分岐したカーレン・コースの踏み跡が見える。分岐を右に見送り稜線沿いの道を更に登っていくと、いつの間にか右斜面のトラバースに変わり、斜面を上り詰めると天狗の森山頂に着く。
 
五段高原より 前日(9月3日)撮影
天狗の森駐車場 天狗の森登山口
キャンプ場に向かって登山口を進む 整備された広い登山道
視界が開け明るくなると石灰岩が目立つ道に 展望台
稜線出会い 瀬戸見の森の案内も・・ 左手のコブが瀬戸見の森か?
稜線を進み、小さな石灰岩の岩場のピークへ
小さな岩稜を行く 苔むした岩が縁どる登山道
これはあちこちで見かけるヤマジノホトトギスではなくヤマホトトギス ソバナ
ツクシクサボタンの登山道を行く カーレン・コース分岐は左へ

天狗の森は四国カルストの最高峰というが、三等三角点が灌木の茂る石灰岩の多い登山道脇に設置された狭い山頂のピークだ。
今日のように展望のない日には立ち止まることも無いような山頂だが、山頂部の岩に腰掛け、水分を補給し休憩する。
三角点横を下ると暫くはカヤトの原を進み、まもなく樹林の中に入っていく。ブナの多い気持ちの良い樹林帯をひたすら下る。25分程で標高差約180m下り、姫百合平という平坦地の鞍部に着く。鬱蒼として展望は無い。広場の下からは横道へ降りる道が2本出ている。
姫百合平を後にすると緩やかな登りから次第に傾斜が増し、やがて苔むす痩せ尾根をアップダウンを繰り返し、黒滝山手前のピークに着く。 ピークから覗く黒滝山はまだまだ遠い。
鞍部手前で霧が濃くなり、薄暗くて足下が見え辛くなったと思たら、急な下りで転んでしまった。 幸い怪我もなく一安心。
更に美しい岩稜帯を進み、この稜線最後のピーク・黒滝山山頂に到着。
 
天狗の森山頂 暫くはススキの草原
気持ちの良い樹林帯をひたすら下る
姫百合平 広場の下からは横道へ降りる道が2本
美しい登山道が続く 痩せ尾根の岩稜帯が続く
黒滝山手前のピークへ 黒滝山が見えてきた
手前のピークから鞍部を経て、そして黒滝山山頂へ

黒滝山の山頂も石灰岩の岩の上に山頂標識が立つだけの、それが無ければ山頂かどうか分からないような、ブナや灌木に囲まれ展望も無い小さな頂だ。ここから大引割まで標高差300m程を一気に下ることになっている。
山頂部を後にすると登山道は右に曲がり、稜線部を外れて南側の急斜面を下っていく。20分程下ると三叉路に出る。右も左も四国の道に出るが、左手の道を採る。ジグザグ道を下り、10分で四国の道に合流した。
合流点からは良く整備された道幅の広い四国の道が大引割まで導いてくれる。横木の階段を下りるとブナの森が広がり、それに続いてこの日の見どころの一つであるヒメシャラの並木が現れる。樹林の中に100本近いヒメシャラが群生し、美しい景観を呈している。
ヒメシャラ並木を過ぎると、石灰岩の岩場やアセビの森などを抜け、15分ほど下っていくと今日の最終目的地大引割・小引割に着いた。
大引割・小引割の地割れを目のあたりにし、想像以上の大きさと、その不気味な深さに驚きと感動を覚えた。傍に立てられた説明板をもう一度読み返し、地球の凄さ・不思議さを改めて感じた。広場で軽い食事をとっていると小雨が降り出し、慌てて大引割・小引割を後にした。 
 
細い山腹の道を下る ツチアケビ
分岐は左へ 右も四国の道へ 四国の道 出会い
ブナの森からヒメシャラ並木へ
ヒメシャラ並木の説明板
大引割に到着
大引割 中を覗いてみる
広場の休憩所 引割の説明板

大引割から30分程四国の道を登り返えすと黒滝山・天狗池への道が分岐する十字路まで戻ってきた。ここで今日初めての登山グループに出会った。彼らは稜線の道を縦走せずセラピーロードから四国の道を来たようだ。
ここからは南側の山腹を長々と巻いている四国の道を天狗荘まで帰っていく。ほぼ平坦な道を快調に歩を進める。後半はまた緩やかな上り基調になるが、見事に整備された広い道は疲れた脚に心地よいウッドチップもひかれている。
名残のキレンゲショウマやハガクレツリフネソウに癒されながら、距離にして10km余り、時間にして5時間の山行は無事終わり、天狗の森の駐車場に帰ってきた。
広島までの行程は高知を経て、瀬戸自動車道を通って帰ろう!
 
大引割からの帰りは来た道を登り返す
黒滝山・天狗池が分岐する十字路 山腹を巻く四国の道
整備の行き届いた四国の道
ハガクレツリフネソウ キレンゲショウマ
ウッドチップを敷き詰めたセラピーロード 無事下山
ひとこと:この山は登る登山では無く、下る登山だ!
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